食品「通販偽装」防げ、新年度からネット監視を強化
通販の宣伝では国産豚肉だったのに、届いたら輸入肉だった――。そんな「偽装被害」を防ごうと、農林水産省が新年度から、インターネットなどの通販で扱われる食品について、不正表示の監視を強める。
通販の食品については、農水省所管の日本農林規格(JAS)法がネット上の記載を規制していないことや、多くの業者が絡んで調査に手間がかかることもあり、これまで目が届いていなかった。今後は、公正取引委員会との連携も強めながら、総合的に監視を図る方針だ。
商品が届いたら国産ではなく海外産の肉だった、という相談が農水省に持ち込まれたのは昨年10月。
届けられた豚肉の包装には、輸入した原産国が記されており、その表示自体は正しかった。宣伝の仕方に問題があった疑いはあるものの、JAS法は食品そのものの表示について定めているため、同法違反に問うことはできなかった。
ネットなどの誇大広告や不当表示は、公取委が所管する景品表示法で規制している。しかし、農水省が確認した時点では、宣伝方法の問題も発見できず、公取委にも持ち込めなかった。
近年の通販の普及に伴い、こうした相談が珍しくなくなったが、不正を暴くのは容易ではない。まず、農水省職員とわからないように商品を取り寄せる。疑わしい表示があったとしても、通販には製造、卸、販売、宅配など多くの業者がかかわるため、調査に手間がかかる。商品に記された会社の所在地を訪ねると、マンションの空き室だったということもある。
通常の店頭調査に人手が割かれて通販まで手が回らず、農水省が昨年、JAS法に基づき改善指示を出した29件のうち、通販絡みは3件にとどまった。新年度からは、食品表示・規格監視室の職員を17人から23人に増員し、普段からネットなどの宣伝文句を監視。疑わしい記載があれば商品を取り寄せて不正の有無を確認し、必要に応じて全国各地の「食品Gメン」(約2000人)に連絡する。
また、これまでは「ネット上で不審な宣伝を見つけても、翌日には消えていることも多い」(担当者)として、公取委への連絡をためらう面もあったが、今後は景品表示法の適用を視野に積極的に連絡を取る。
市場調査会社の富士経済によると、2002年に約1906億円だった「食品・産直品」の通販市場は、07年には約3752億円と倍増。農水省では「ネットの普及により通販に参入しやすくなり、『食の素人』が食品販売に携わるケースも目立つ。公取委と連携することで、できる限りの手を打ちたい」と説明している。
(2008年1月30日03時05分 読売新聞)
YOMIURI ONLINE
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