こだわり世代狙う、ICレコーダー・ビデオカメラ新製品
音や映像にこだわるおやじ世代を狙え――バンド演奏やバードウオッチングを楽しむ団塊世代を狙って、電子楽器、電機メーカーが、ICレコーダーやビデオカメラの新製品を相次いで投入している。いずれも、本格機材を使ったような高性能が売りだ。おやじの遊び心をくすぐることができるか、メーカー側はその本気度が試されようとしている。

ケンウッドの「MGR―A7」

オリンパスの「LS―10」

ビクターの新製品
とくに激烈な戦いになっているのが、本来は会議や語学学習に使われるICレコーダーだ。音楽CD以上の音質で録音できる「リニアPCM」と呼ばれるタイプが増えている。高音質を求める団塊世代向けが中心だ。
リニアPCMはアナログ信号を圧縮せずにデジタル化するため、「MP3」などの圧縮方式より高音質になる。最近はCDをはるかにしのぐ情報量を記録できるようになった。
先鞭(せんべん)を付けたのは電子楽器メーカーのローランド。04年に発売したレコーダー「R―1」は、パソコンへの保存や編集が面倒なMDやデジタルテープ「DAT」からの買い替え需要を掘り起こした。文庫本程度の大きさで約3万8000円。06年には手のひらサイズの新機種も出した。
同じく電子楽器メーカーのコルグは06年、リニアPCMより原音に近い「DSD」方式で、ハードディスク駆動装置(HDD)内蔵の機種を約7万5000円で発売した。
こうした需要拡大に着目したのが電機メーカーだった。ソニーは05年、リニアPCMで約20万円の高額機種を発売したが、07年には小型化した6万円弱の機種を投入した。
三洋電機も06年、音質がCD並みながら当時としては約5万円と手頃な価格の機種を発売、これまでメモリー容量を増やしてきた。ケンウッドも今月に入り、音質がCD並みの「MGR―A7」を3万5000円前後で発売した。
ICレコーダー業界首位のオリンパスも巻き返しを図ろうと、今月に入り、CDを超える音質の「LS―10」を約5万円で発売した。最大手の参入で市場はさらに活性化しそうだ。
利用法はさまざま。三洋電機の担当者は「中高年バンドが増えている。集まって練習する時間がないので、互いの演奏を録音して送り合っている人たちもいる」と話す。
野鳥の声など自然の音を楽しむ人や、列車やレーシングカーの走る音を記録する人も多いという。おやじの遊び心を追うことは、メーカーにとってすでに大切な業務になっているようだ。
日本ビクターは今月中旬、通常のフルハイビジョン映像より2倍のデータ量で映像を録画・出力できるビデオカメラ「エブリオ GZ―HD6」を発売する。
ビデオカメラは最近、使いやすさとともに、テレビのハイビジョン化に伴って高画質化が進展。テレビを超える映像を記録できる製品の開発にもメーカーは力を入れ始めたところだ。
「エブリオ GZ―HD6」の店頭想定価格は17万円前後。120GBのハードディスクを内蔵し、最大で24時間、最高画質でも10時間録画できる。データ密度を2倍に変換する独自開発の信号処理回路を搭載した。
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